暮らすように旅する|Copenhagen
2026.06.28
2026年6月、3daysofdesignを訪れるため、デンマーク・コペンハーゲン(Danmark・Copenhagen)へ。
今回の旅のきっかけは、インテリアデザイナーのあおいさんに声をかけてもらったことでした。
あおいさんとは、私がインテリアの仕事を始めたばかりの頃、あるイベントで知り合いました。
年齢は私より下ですが、インテリア業界ではずっと長く活躍している大先輩。
ふたりで飲みに行き、気づけば6時間ほど話し続けていたことも笑
現在はインテリアクリエイターズ協会の事務局も一緒に担当しているので、少なくとも月に一度は顔を合わせます。イベントや展示を見に行ったり、ご自宅へ遊びに行ったりと、仕事でもプライベートでも仲良くしてもらっています。
そんなあおいさんから「3daysofdesignへ行かない?」と声をかけてもらい、今回の旅が始まりました。

Copenhagenへ
6月8日はほぼ一日移動。
羽田空港を昼前に出発し、直行便で13時間のフライト。
夜にコペンハーゲンへ到着しました。
ところが到着早々、空港からホテルまでどうやって行けばいいのかでつまずきます。
電車や地下鉄、バスなどいくつかルートがあるのですが、Googleマップを見ても、それが電車なのかバスなのか地下鉄なのか、よくわからない……。
なかなか空港から出られず困っていたところ、頼りになったのがあおいさん。英語で駅の人に確認してくれて、とても助けられました。
そして思う。
英語を話せるって、やっぱりかっこいい。
中学英語すらままならない私は、旅が始まって早々、そこでも大尊敬(笑)。
そんな彼女の語学力に助けられながら、なんとかホテルへ向かいます。
20時頃だったにもかかわらず、外はまだとても明るい。
初めて見る街並みの中をホテルまで歩いている。それだけでもうワクワクしていました。

駅からホテルへ
今回の滞在先は、コペンハーゲン南部のSydhavnen(シドハウネン)エリア。
チェックインを済ませたあとは、近所のスーパーへ。
その日の夕食を調達し、翌日からに備えて早めに休むことにしました。
観光はまだ何もしていないのに、スーパーを歩いたり、知らない街をホテルまで歩いたりするだけで楽しい。
今思えば、この到着した日の時間から、私がいつかやってみたいと思っていた「暮らすように旅する」は、少しずつ始まっていたのかもしれません。

スーパーで買ったお惣菜とワイン
翌6月9日。
3daysofdesignが始まる前の一日は、ルイジアナ現代美術館やデンマーク王立図書館を訪れながら、街を歩いて過ごします。
建築を眺めたり、気になる場所に立ち寄ったり、カフェでひと休みしたり。
ここから、本格的なコペンハーゲンでの時間が始まります。
美術館で「過ごす」ということ
最初に訪れたのは、コペンハーゲン中心部から少し離れた場所にある世界一美しい美術館と呼ばれる美術館、ルイジアナ近代美術館(Louisiana Museum of Modern Art)。
初日に電車や地下鉄に乗っていたおかげで駅までの道のりもなんとなく把握できていたので移動もスムーズでした。印象に残っているのは、展示作品だけではありません。
広い庭園に点在する彫刻、建築、窓から見える緑、そしてすぐそばに広がる海。
展示室を巡ったあとに庭を歩いたり、立ち止まって海を眺めたり。
その一つひとつが切り離されることなく、そこで過ごす時間すべてが美術館を体験することのように感じました。

ルイジアナ美術館:ジャコメッティ・ギャラリー

ルイジアナ美術館:アレキサンダー・カルダー作 モビールアート

ルイジアナ美術館:ガラスの回廊
ルイジアナ近代美術館は1958年に開館し、建築家Jørgen BoとVilhelm Wohlertによって、もともとこの場所にあった邸宅を起点に計画されました。
設計の基本にあったのは、建築と周囲の自然を結びつけること。
建築と美術が自然に寄り添うように溶け込むような空間にあり、人々が思い思いに作品や自然を楽しんでいました。
建物をつなぎながら公園を歩いているように感じられる「covered stroll(屋根付きの散歩道・回廊)」という考え方や、大きなガラス面を通して自然へと視線が抜けていく構成など、建築・公園・自然が一体として体験できるよう考えられています。
後からその背景を知り、私が現地で感じた心地よさにも、きちんと理由があったのだと気づきました。

展示室を出れば、庭と海へ。
「見る」だけではなく、ここでどう過ごすかまで含めて楽しみたい場所。
歴史の中に、今の暮らしがある
次に訪れたデンマーク王立図書館(et Kongelige Bibliotek)でも、印象に残ったのは建築そのものだけではありませんでした。
歴史を感じる空間の中で本を読み、勉強し、それぞれの時間を過ごしている人たち。
歴史的な建造物に、今の空間や人の過ごし方が自然に寄り添っている。
その光景がとても印象的でした。

デンマーク王立図書館

デンマーク王立図書館 中庭
現在の王立図書館は、1906年に完成した歴史的な図書館、1968年の増築、そして1999年に開館した「The Black Diamond」という異なる時代の建築がつながって構成されています。
1906年からほぼ当時の姿を残すOld Reading Roomも、現在まで学生や研究者が実際に利用する閲覧室として使われています。

デンマーク王立図書館 回廊
古いものを保存し、眺めるだけではなく、今を生きる人たちが、その場所を使い続けている。
新しいものへ置き換えるのではなく、時代を重ねながら今の暮らしへつながっていることに惹かれました。
目的地までの「間」にある風景
そして、今回の一日を振り返ったとき、美術館や図書館と同じくらい記憶に残っているのが、目的地から目的地へ移動する途中の風景です。
街を歩いていると、建築が自然や人の暮らしから切り離されているのではなく、景観の一部として馴染んでいるように感じました。
私が歩いた場所では、大きな広告など視覚的に強く主張するものも比較的少なく感じられ、その分、建物や緑、空や水辺が自然と目に入ってきます。
カフェに立ち寄ったり、建物を眺めたり、気になった道を歩いてみたり。
有名な場所を見ることだけではなく、何でもない街の日常を見ることも、その土地を知る一つの方法なのかもしれません。

デンマーク コペンハーゲン近郊街並み

デンマーク コペンハーゲン街並み

デンマーク コペンハーゲン街並み
目的地と目的地の間にも、その街らしさがある。
暮らすように旅する
旅先では、限られた時間の中で「どこへ行くか」「何を見るか」を考えがちです。
もちろん、それも旅の楽しみの一つ。
でも今回のコペンハーゲンでは、目的地へ向かう途中に街を歩くことも、カフェで過ごすことも、庭を歩くことも、海を眺めることも大切な時間になりました。
いつかやってみたいと思っていた、暮らすように旅すること。
実際にその土地の日常に少しだけ混ざってみると、写真や情報から知っていた街とは、また違った見え方がありました。
そして、この日はまだ旅の始まり。
翌日からはいよいよ、3daysofdesignへ。
ここから3日間、コペンハーゲンの街を歩きながら、家具、照明、アート、建築、素材、そしてさまざまなデザインの表現に触れていきます。

コペンハーゲン街並み